小児への経口補水液の与え方②

小児は体調が悪いときには、経口補水液もいやがらずに飲めることが多いようです。飲ませても吐き出さない場合は、適量をゆっくり飲みたがるだけ与えてください。ただし、いやがる子に無理やり飲ませることは避けましょう。

また、母乳(ミルク)乳児の場合は、母乳(ミルク)を少しずつ何度も与えてください。そのときは無理に経口補水液にする必要はありません。

下痢・嘔吐のときの経口補水液の摂取方法

以下は、小児に経口補水療法を続ける場合の基本ルールです。覚えておきましょう。

  • ① 脱水が進行している場合は、脱水状態からの改善

    脱水が進行している場合は、脱水状態からの改善

    3〜4時間で50〜100mL/kgを摂る

  • ② 下痢・嘔吐の発生の都度 失われた水・電解質を摂る

    体重10kg未満

    体重10kg未満:
    下痢または嘔吐の発生の都度、経口補水液を摂る。分量は60〜120mL

    体重10kg以上

    体重10kg以上:
    下痢または嘔吐の発生の都度、経口補水液を摂る。分量は120〜240mL

  • ③ 栄養の再補給のために、脱水状態が改善されたら年齢に合った食事を与える

    乳児向け食事
    幼児向け食事
  • ④ 乳児に対しては、母乳を継続して与える

    母乳を継続して与える
  • ⑤ 乳児用ミルクを用いている場合、薄めたミルクも、特殊ミルクも通常は不要

    薄めたミルク 不要
    特殊ミルク 不要
  • ⑥ 下痢が続いて継続的に水分が喪失している場合、経口補水液を都度与える

    経口補水液を都度与える

※経口補水療法実施の際は、医師や医療関係者に相談することをおすすめします。

米国疾病管理予防センター(CDC)「下痢および脱水症を呈した小児に対する適切な治療」より(2003)

こんな症状の場合は小児科医に診てもらいましょう

小児急性胃腸炎の主な治療法は水分補給と食事療法です。 ご家庭でも治療開始できることが多いのですが、症状が激しい場合や症状の改善がみられない場合、緊急性のある症状がある場合は、無理をせずに小児科の先生に診てもらいましょう。

小児科医の診察のイラスト

重症な脱水のサイン

  • 時間とともに調子が悪化する(顔色、口の中の乾燥など)

    時間とともに調子が悪化する(顔色、口の中の乾燥など)

  • 過敏 (不機嫌であやしても落ち着かない、 ずっと泣いている)、 逆に反応に乏しい(ずっとウトウトしている)

    過敏 (不機嫌であやしても落ち着かない、 ずっと泣いている)、 逆に反応に乏しい(ずっとウトウトしている)

  • 時間とともに徐々に目が落ちてくぼんでくる

    時間とともに徐々に目が落ちてくぼんでくる

  • 呼吸が速い、荒い

    呼吸が速い、荒い

  • 手足が冷たい

    手足が冷たい

  • 24時間たっても、おう吐が止まらない

    24時間たっても、おう吐が止まらない

  • オムツからあふれるくらいの水様下痢が1日5回以上ある

    オムツからあふれるくらいの水様下痢が1日5回以上ある

特別な対応が必要なお子さま

  • ・尿病、腎不全、代謝性疾患などの基礎疾患がある
  • ・生後2か月未満

胃腸炎以外や重症の病気を疑うサイン

  • ・生後3か月未満の乳児の38℃以上の発熱
  • ・黄色や緑色のおう吐、もしくは血液性 (赤色) のおう吐
  • ・腹痛があるときとないときが周期的に訪れる
  • ・くの字に体を折り曲げる、痛みで泣き叫ぶ、もしくは歩くと響くなどの強い腹痛
  • ・右下腹部痛、 とくにみぞおち 上腹部から右下腹部に移動する痛み
  • ・血便(イチゴジャムのようなドロドロした便) もしくは黒色便(タール状の便)

これらの症状は緊急状態です。大至急、
小児科を受診しましょう。