脱水は、進行していく過程でこれといった症状が出にくいのが特徴と言われています。脱水症になっているのに、本人も周囲もそれに気づかず、適切に対処していればすぐに回復する状態だったにも関わらず、脱水症が重篤化することもあります。ここでは、脱水症を重篤化させないための知識をまとめました。
脱水症の予防のために「かくれ脱水」を知っておこう
脱水症の予防の第一は、睡眠や食事などの規則正しい生活です。そして、下痢や嘔吐、暑熱環境下での運動などでの脱水に早く気づくこと。脱水症を疑ったときは、すみやかな補給(水+電解質を摂る)を心がけることです。
脱水症になる一歩手前で、脱水が少しずつ進行しているにも関わらず、まだ症状が出ていない状態を、最近は「かくれ脱水」などと呼んでいます。「かくれ脱水」には定義があり、研究発表されている神奈川県済生会横浜市東部病院の谷口英喜先生によると、高齢者に存在する脱水症の前段階として「体液喪失を疑わせる自覚症状が認められないにも関わらず、血清浸透圧値が基準値上限を超えた292〜300mOsm/L」とされています。
*血清浸透圧値とは、体液が身体を維持するための機能(恒常性)が正常に働いているのかを表す指標のこと。ヒトとの場合、血清浸透圧の正常値は、275-295mOsm/Lとされています)
脱水は、この値を測ればたとえ症状が現れる前でも確認できますが、誰もがすぐにできるものではありません。そこで日常的に別記のようなフィジカルアセスメント(専門家による身体状態の診察の手法)を活用することをお勧めします。次頁に述べる状態が観察される場合は、体調の悪化を感じる前でも脱水を疑い、早めに食事や水分・電解質を摂ることを習慣づけましょう。
自分だけでなく、高齢者や小児と生活をする上でも、ぜひ知っておいて欲しいことです。
脱水症を知ろう