脱水症には、症状(程度)に応じた飲料があります

もともとは、脱水症の治療は病院で輸液(点滴)によって行われていましたが、近年では軽度から中等度の脱水症には経口補水液を用いることが一般的になってきました。もちろん軽い脱水であればスポーツドリンクも、その手に入れやすさから活用できるものです。表は、経口補水液を使った脱水症対処法である経口補水療法の特徴を、輸液療法、市販のスポーツドリンクと比較したものです。脱水症対処の際の参考にしてください。

経口補水療法のメリット(輸液療法、スポーツドリンク接種との比較)


体内への吸収速度 補水効果 実施までの時間 手技 費用 集団的な発生に対しての実施
経口補水療法 迅速 確実 迅速 容易 安価 容易
輸液療法 迅速 確実 時間を要する 難 高額 難
スポーツドリンク摂取 商品により異なる 商品により異なる 迅速 容易 安価 容易

CHECK!

熱中症予防のために、知っておきたい基本的な心構えについて

済生会横浜市東部病院 患者支援センター長
東京医療保健大学大学院 客員教授 医学博士
谷口英喜先生

熱中症の予防は、基本的に暑さを避けることと脱水への対処です。そのためには「外的な予防」と「内的な予防」があります。
「外的な予防」とは、熱中症を起こしやすい環境の改善のこと。
「内的な予防」とは、熱中症に対して身体を守るための体力を養うことです。

[外的な予防]

□ 暑さを避ける服装を心がける
□ 居住空間の風通しを良くする
□ エアコンを活用。無理な節電をしない
□ 気温、湿度を下げる
□ WBGT*計を用いた指針を守る

*WBGT(湿球黒球温度)計とは、気温、湿度、壁や家具、天井などの輻射熱(太陽光の赤外線などを吸収した物体から発生する熱)の3つを取り入れた指標。数値により熱中症に関して「ほぼ安全」「注意」「警戒」「厳重警戒」「運動は原則中止」という5段階にわけられます。

[内的な予防]

□ 夏場は、無理なダイエットなどで食事や飲み物を制限しない
□ 食事とこまめな水分補給で、水と電解質を補水する
□ 睡眠をしっかり取って休息する
□ 春先から適度な運動*で筋力を保ち、汗をかいておく(暑熱順化)

*発汗を伴うような運動では水と電解質の補給を欠かさないようにしてください